ボトックス注射

歯医者で行う安全なボトックス注射

ボトックス療法(ボツリヌス療法)とは、ボツリヌス菌から採取されるたんぱく質の成分を筋肉内に注入する治療法のことを言います。そうすることで、筋肉が柔らかい状態にすることができるため歯ぎしり・食いしばり・顎関節症の症状を改善させより良い方向に導くことができるようになる可能性があります。ボトックス療法は、見た目を良くする「美容」目的と思われがちですが、歯医者で行うボトックス療法は「歯科医療」としての治療になります。

気になる方は、お気軽にご相談ください。

歯医者で行うボトックス注射の効果

歯医者で行うボトックス療法の最大のメリットは、咬み合わせを考慮して咬む力をコントロールすることが可能になることです。結果的に、歯はもちろんお口周りのトラブルを予防・改善することにつながります。また、仕事や痛みなど様々な事情でマウスピースの装着を避けたい患者様・認知行動療法、運動・理学療法などを行うのが難しい患者様にも効果的です。日頃からお口が空いたままになったお口ポカン状態の口唇閉鎖不全を改善させるにもボトックス療法が有効と言われています。口呼吸から鼻呼吸へと改善されると、口腔内の乾燥を防げるため風邪を引きにくくなったり、唾液の自浄作用が高まりむし歯や歯周病になりにくい環境になったりします。このように見た目だけでなく、機能面でもメリットが多くあります。

ボトックス注射の持続につきまして

ボトックスは注入してから約2日~3日、遅くとも2週間ほどで効果が現れます。個人差はありますが約4ヶ月~6か月間は効果が持続します。効果が切れてくると徐々に神経の働きが回復してきますのでボトックスの注入前の状態へと戻っていきます。その場合に再度ボトックスを注入することで再び効果が現れます。ボトックスは効果が切れてきたら繰り返し注入することが可能で、継続的に注射することで改善率も向上します。

咬筋ボトックス治療の効果

歯ぎしり・食いしばりは、日頃から無意識に歯を強く噛み締めたり、歯を横にギシギシと動かしたりする現象をいいます。癖になってしまうと歯に大きな負担がかかり、顎関節症を引き起こす場合もあります。歯ぎしり・食いしばりのお悩みを抱えている患者様は、咬筋が必要以上に緊張している傾向があります。そのため筋肉をほぐすボトックス療法で改善できる可能性が高いです。

  • 顎関節症の緩和(アゴがなる、アゴが痛む、口が大きく開かない)
  • 就寝中の歯ぎしりの緩和
  • 歯ぎしりによる歯の磨滅(すり減る)抑制
  • 咬合圧による脱離、破損防止
  • 食いしばりの緩和
  • 食いしばりで起こる肩こり、頭痛などの改善
  • ガミースマイル改善、口角拳上など

ボトックス注射のメリット・デメリット

メリット
  • 定期的に注入することで効果持続期間が長くなる
  • 副作用が起こしづらい
  • 施術時間が短い
  • 効果を感じやすい
デメリット
  • より高い効果を実感したいと思っても2か月間は投与間隔を空ける必要がある
  • 治療が適用できない場合がある
  • 施術時間が短い
  • アレルギーを起こす場合がある(※個人差があります。)

※当院では厚生労働省から認可を受けている安全性の高い製品を使用しています。

ボトックス注射を適用できない方

・妊婦の方、授乳中の方

・全身性の神経筋接合部の障害(重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症など)をお持ちの方

・筋弛緩薬を服用中の方

歯医者と美容外科でのボトックス注射の違い

ボトックス療法を行うのは美容外科のイメージが強い方がほとんどではないでしょうか。美容外科においても専門性の高い治療を受けて頂くことは可能であると思います。しかし、口元の美しさだけでなく咬み合わせなどの機能面も重視した治療を受けたいのであれば歯医者での治療をおすすめします。歯や咬み合わせの知識が豊富な歯科医師がトータル治療を行うことでより魅力的なお口周りの実現が可能です。

ボトックス注射の流れ

STEP1 問診・カウンセリング

まずは患者様が気になっていることをお聞きします。
そして、ボトックス療法を適用できるかを確認します。

STEP2 ボトックス注射

ボツリヌスを筋肉に注入します。治療は数分間で終わりますのでご安心ください。治療後当日は、激しい運動や飲酒を控え安静にお過ごしください。お食事は普段通り行って頂いて問題ありません。

STEP3 経過観察

ボトックス注射は平均的に4ヶ月~6か月ほど効果が持続しますが個人差がある為、定期的にご来院いただき経過観察をすることをお勧めしております。ご来院頻度は2ヶ月に1度ほどです。

お口ポカンの治療(口唇閉鎖不全)

お口ポカン状態の患者様の場合、顎に梅干しシワができることがあります。原因はほとんど顎と歯の問題です。不正咬合や口呼吸が原因であれば、矯正治療が適用されます。矯正治療と合わせてボトックス療法を行うと、梅干しシワの改善ができる可能性を高めて、より見た目も美しくなるでしょう。

このようなお悩み・症状はありませんか?
  • お口ポカンの状態が続いている
  • 口腔内の乾燥を感じる
  • お口を閉じることが難しい
  • お口を閉じると梅干しシワができる
  • 大人になっても睡眠中によだれが垂れている
治療方法

お口ポカンの原因の1つには「オトガイ筋」の必要以上の緊張があります。お口周りの筋肉が発達しすぎている場合には、ボツリヌス注入することで柔らかくすることが可能です。歯並びが悪い場合には矯正治療や外科処置が適用されます。

メリット
  • 口呼吸から正しい鼻呼吸に移行できる
  • むし歯や歯周病のリスクを抑えることにつながる
  • 口臭予防が効果的になる
  • 悪い歯並びになることを予防する

ガミースマイルの治療

従来のガミースマイル治療は、外科処置(口腔内の粘膜切開など)で改善する方法しかありませんでした。しかし医療の発展で、ボツリヌス療法の注射を適用することで十分に効果を出せることが分かってきました。治療時間も数分間で終了するため患者様の負担も少なくすみます。ガミースマイルが改善されると、お口周りの見た目のコンプレックスがなくなるだけでなく唾液の自浄作用が活性化されるため風邪予防にも効果的です。

ボトックス注射の料金

ボトックス療法 33,000 (税込)

※内出血・腫れ・痒みなどが生じるリスクがあります。また、注射時に痛みを感じる方もいます。ごく稀にアレルギー反応が起こる場合がございます。(※個人差があります。)

※ボトックス注射の注意点

ボトックスは冒頭でご説明致しました通り、ボツリヌス菌が作り出す天然たんぱく質を有効成分としております。ボツリヌス菌を直接注入しているわけではありませんので、ボツリヌス菌に感染する恐れはありません。また、その製造工程では加熱処理を含め、精密に検査しておりますので肝炎やエイズなどの感染症にかかることもありません。しかし、現在の医療ではまだ完全に解明していない事項として、極稀にヤコブ病(狂牛病)の感染リスクがある事をご理解いただく必要がございます。ボトックス治療においてはアメリカで1977年にはじめて使用されました。そこから現在に至るまで年間約200万件以上使用されていますが、ヤコブ病の感染報告はいまだ皆無です。